2021年12月に三重県に行く機会があったので、フェモラータを調査してみた。
フェモラータとは?
フェモラータとは、「フェモラータオオモモブトハムシ(Sagra femorata)」という外国産の昆虫で、なぜか三重県の松阪市近辺に定着している。輸入品に混じって日本に来たらしいけど、分布の拡大はマニアが放虫した可能性も考えられる。
西日本は比較的温暖とはいえ、真冬にはしっかり雪も降るし、普通に寒い。そんな日本の冬にも適応できるのだから、かなり強い昆虫であることは間違いない。
2009年には生息が報告されているが、自分がフェモラータを初めて見つけたのは2019年のこと。
その時のことは記事にしてあるので、ぜみてみてね。
フェモラータを探す
今回は三重県松阪市ではなく、隣の津市で探してみた。
フェモラータは、葛の茎に卵を産み付けて、茎の中で幼虫が育つ。カミキリムシのような生態があるので、生息地に葛が生えていれば高確率で見つけることができる。
すると・・・一瞬で見つかった。
ちょっと茎が膨らんでいるポイントが、フェモラータの虫こぶ。
ここにもある。
いっぱいある!
ノコギリを持っていなかったので中身は確認しなかったが、生木の葛に虫こぶができていれば、確実に中にはフェモラータの幼虫がいるはずだ。
繁殖力の強い葛という植物を生活拠点にしている時点で、フェモラータという虫が絶滅することはないだろう。
フェモラータの今後
ちなみに、このフェモラータ。
幼虫は栗虫やカミキリムシの幼虫と似ていて、普通に美味しい。さらに、成虫はやや不気味(バッタみたいに後脚が太い)さはあるもののマジョーラカラーで美しい。色味としては、糞虫やパプアキンイロクワガタに似ている。
カミキリムシの幼虫よりも捕獲しやすく、成虫は標本としてそこそこの人気がある。といえば聞こえはいいが、完全なる外来種なので、分布が広がっていることに関してはあまり喜ばれていない。現在のところは特定外来生物のリストには入っていないが、今後分布が広まればリスト入りする可能性は十分あるだろう。